The Jaladuta Diary | ジャラドゥタ日記
1965年4月 アメリカへの旅をスポンサーしてもらうため、ムンバイにあるシンディア蒸気船舶会社に向かった際、シュリーラ・プラブパーダは会社が無料で配っていた日記帳をお受け取りになりました。最初はスケジュール帳として使っていましたが、その年の8月、ジャラドゥータでのアメリカへの旅が始まった際、プラブパーダはその手帳に旅の出来事を定期的に記しはじめたのです。
その後、手帳はニューヨーク寺院の金庫に保管されていましたが、1972年、寺院長のバリ・マルダナ・ダーサは個人的に管理するよう、シュリーラ・プラブパーダに頼まれました。その手帳は今でもバリ・マルダナ・ダーサによって丁寧に保管され、恒久的な提示と保存の手配が進められています。
1980年に出版されたシュリーラ・プラブパーダの伝記、『シュリーラ・プラブパーダ・リーラームリタ』の第1巻で初めて、日記の数カ所が公開されました。また毎年配布されるヴィヤーサ・プージャの本にも抜粋されていたこともあります。私たちはシュリーラ・プラブパーダの生誕100周年となる1996年を迎えるにあたって、この日記の全容を提示するのがふさわしいと感じています。
ある日プラブパーダは手紙に、先代のアーチャーリャたちが残した書物、特に手書きのものを丁寧に残していく必要性についてこのようにお書きになりました。
「偉大な聖者たちが手書きで残された言葉を未来のヴァイシュナヴァたちが見れるよう、これらを害虫から守り、密閉され乾燥した場所に保管し、大事に扱うべきです。この素晴らしい恩恵のある文献を永遠に保存できるよう、とても慎重に、最善の注意を払って守ってください。これらの書籍はとても、とても貴重であり、ヴァイシュナヴァの教えの大切な宝庫です。ですから、細心の注意を払い、これらを守るために最善を尽くしてください。」
[アチュターナンダ・ダーサへの手紙 1972年6月12日付]
また、シュリー・チャイタニヤ・マハープラブーがルーパ・ゴースヴァーミーの几帳面な筆跡を賞賛なさる様子が『チャイタニヤ・チャリタームリタ』で描かれています(『チャイタニヤ・チャリタームリタ』 [アンティヤ1.96-97])。ゆえに、純粋な献身者の筆跡は彼らの精神生活の個人的な形見であり、シュリーラ・プラブプパーダの残された手書きの書物を目の当たりにできる私たちは最も幸運であると思うべきです。
ジャラドゥータの旅日記は、シュリーラ・プラブパーダの生涯の使命を開始させた困難な旅の経験や出来事を記したものです。読者は宗教運動の歴史において、これをとても貴重な記録だと感じるでしょう。シュリーラ・プラブパーダを世界でも数少ない真の精神指導者として位置付ける彼の献身、信念、自己犠牲がたっぷりと明かされています。読者がこの書物を読み、逆境に打ち勝ったプラブパーダに感謝の気持ちを抱き、またそんな彼の足跡に従うよう掻き立てられることを願っています。